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Vol.03「農事組合法人 曽良(そら)の里 」 田中 伸久さん

農事組合法人 曽良(そら)の里

バーデンパークSOGIのレストランでは、曽木で収穫されたお米を使用しています。このお米を育てているのは、地元民が立ち上げた農事組合法人「曽良の里」です。新たに法人を立ち上げてまで農業に邁進する背景には、故郷を自らの手で守りたいという、地元住民の熱い想いがありました。

曽木町の未来を考え設立した組織

どのような経緯で曽良の里を設立されたのですか?

曽木町の連絡協議会で、「今後の曽木町をどうしていくべきか」という話し合いがおこなわれたことがきっかけでした。曽木が現在抱えている問題を主軸として、第一に空き家対策、第二に耕作放棄地の解消、第三にバーデンパークSOGIを活用した経済活性化といったテーマで、話し合いをおこないました。そこで私は、耕作放棄地に関する問題を担当することになりました。とはいうものの、当時は専門的な知識も無かったので、岐阜県の東濃農林事務所の普及員の方に相談したり、勉強会に参加したりして、農地活用の手立てを探りました。そうしていくうちに、組合を作って数年かけて法人化して…などと、ゆっくりと構えている余裕はないということに気付き、思い切って最初から法人化してしまおうと周りと話をつけ、曽木の耕作放棄地の解消と農業振興を目的とした「曽良の里」を立ち上げたわけです。

曽良の里の稲作に携わっているのはどのような方ですか?

曽木でもともと農業をしている住民で、私を入れて5名です。定年退職後に、曽良の里に参加しています。一番の若手でも63歳ですので、平均年齢はかなり高い組織です。年金や家族に頼って生活するのではなく、曽良の里で頑張れば自分たちの手で収入を得ることもできますので、それぞれが自分の畑仕事の合間を縫って、活動に参加しています。

「地産地消」ができる米

田中伸久さん
曽良の里 代表の田中伸久さん
どのような活動をされているのでしょう?

約7ヘクタール(東京ドーム1.5個)ほどの広さの耕作放棄地を活用して、「コシヒカリ」や「あさひの夢」という品種を育てています。どちらも岐阜県の奨励品種に指定されています。収穫したら、バーデンパークや近隣の介護施設などに卸したり、個人のお客さんに販売したりしています。今はちょうど収穫期で、お客さんに新米をお届けできて、とても喜んでもらえるので、農家には大変嬉しい季節です。

2品種を育てていらっしゃるのはなぜでしょうか?

「コシヒカリ」と「あさひの夢」は、収穫の時期が少し違います。「コシヒカリ」に比べ、「あさひの夢」は少し遅めです。収穫時期をずらすことができれば、計画立てて無理なく作業ができますから、人数が少なくても大丈夫なんです。

昨年の収穫量はいかがでしたか?

曽良の里1年目の昨年は、180俵×60kgの収穫がありました。今年も同じくらいは期待ができそうです。昨年はおかげさまですべて買い手がつき、地元を中心に味わっていただくことができました。本当は「曽木のお米を食べたい!」という全ての人に届けられるくらい、たくさん作りたいとは思っていますので、耕作放棄地を減らし、収穫を増やしてくことができればと考えております。

「故郷を活かす」農業の仕組みづくり

曽木町の農業の特色を教えてください

ここは標高400mの中山間地ですので、朝晩の寒暖差が大きいです。農作物はこういった少し逆境ともいえる土地で作られると甘みが増すと言われています。これ以上標高が高くなってしまうと、農作物はうまく育ちません。ここはそういった微妙な気候条件に適った土地なのです。食品検査でも、全国平均が70点程度であるのに対し、この土地は79~85点という結果が出ています。米作りにとって、とても恵まれた土地だと思います。

他の農作物を作る予定はありますか?

今は米作りで手一杯です。しかし最近では、曽木でトマト農家を始めた若い人にも「他の作物も作りましょう!」と誘っていただいています。土岐市からも、「曽木で自然薯を作ってみたいという人がいるから、良い土地があれば教えてほしい」という話をいただいています。耕作放棄地を紹介することで、農業をやってみたい人を手助けするのも、農業振興において、とても大事な仕事だと思っています。

「あさひの夢」収穫の様子
「あさひの夢」収穫の様子

たくさんの人が集まる町にしたい

レストランのお米イメージ
曽良の里の今後の展望を教えてください

いろいろな人に聞かれますが、将来のことは本当に分かりません。ただ、今、目の前にある問題を解決していくことが、自分たちの故郷を守ることにつながると思っています。曽良の里でおこなう農業を本格化させ、若い人がサラリーマンと同程度の年収を得られる環境を整えて、曽木を元気にしていきたいという思いもあります。また、せっかく自然が豊かな土地なので、外からたくさんのお客さんにも遊びに来て欲しいです。そうなるとやはり耕作放棄地は寂しい景観に見えてしまうでしょうから、こうして田畑を生き返らせることで、町の美観を取り戻さなければと考えています。これから、バーデンパークSOGIのレストランへ、新米の納品に行ってきます。地元のお米の味を、ぜひレストランで味わってください。